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かいて、かんがえる

関西の大学4年生。かく練習とかんがえる練習をかねて。

私たちはみんな断片的で

岸政彦『断片的なものの社会学』(朝日出版社)を読んだ。

筆者は、ライフヒストリー(生活史:ひとりの生い立ちや暮らしをインタビューする)を方法論としている社会学者だ。

 普通の人たちの、なんでもないような語りは、分析できないもの、大きな物語に組み込まれない断片である。わからなかったり、意味がないものに触れるとモヤモヤすることが多いけれど、この本はそんな断片的な語りを絶妙な具合に編集して自らも語る筆者ののスキルとあいまって、おもしろく読んだ。ところどころ「フフッ」と笑ってしまった。大阪弁だからか、宮本輝の小説を読んでいる時のようなおかしさを感じた。

 

 ポエムみたいだけど、いくつか思ったことを。

私たちはみんな孤独である。

私たちの人生は断片的である。

ひとつの物語のようで、そうではない。

ここに、「意味の無意味さ・無意味の意味」を見出す。

私たちは、どんな物語からも自由ではいられない。

分析できない語りを聞くのは、そのことを戒めるたよりとなるのかもしれない。