かいて、かんがえる

関西の大学4年生。かく練習とかんがえる練習をかねて。

バニエの言葉1:"Communion"

前記事に書いたけれど、バニエの始めたラルシュ(L'arche)とは「(ノアの)方舟」の意味で、やはり聖書からきた言葉だ。

バニエは大学で哲学と神学を専攻しており、ラルシュ設立においても友人のトマ・フィリップ神父が大きな役割を果たしている。バニエの思想の根底にはキリスト教への信仰がある。キリスト教への理解が浅い僕にはここが結構難しいところで、例えば用語の問題がある。

日本唯一のラルシュ・コミュニティー「かなの家」創立者である佐藤仁彦氏が訳したバニエの主著『あなたは輝いている』(一麦出版社)の中で、僕が一番重要だと感じているキーワードがフランス語の"Communion"である。この言葉は「交わり」や「キリスト教徒の生活」「聖餐」を意味しているが、佐藤氏はこれを「ひとつになる親しい交わり」と訳している。

僕はまだこの言葉を理解するまでに至っていない。

『あなたはー』には、「寛大」でも「教育」でも、「協力」でもなく、「相互」のものなのだ、ということが書いてあったけれど、なんだか「上下より対等」というメッセージよりも深く広い意味がこめられているように感じる。

なぜなら、原語の"Communion"は"Community"と同じ語源を持つはずで、「共同体」として「共に生きる」ことに関して重要な示唆を含んでいるはずと思うからだ。

 

「ひとつになる親しい交わり」の理解が、論文のひとつの目標になりそうだ。